マネジメントの定義は難しいですが、ドラッカーは企業の社会的責任を前提に「企業の本質はマーケティングとイノベーションである。」としていますので、企業(組織)においてマーケティングとイノベーションを実現する工夫や努力が「マネジメント」の本質ではないかと捉えています。また、マネジメントの対外的な側面として、「外部環境との整合性を調整する。」という機能もあると考えています。
また、基本的には自由市場経済を調整する機能として、役割・社会的責任とその実践という役割が大切になります。
〖詳しくは、 マネジメント(上) 著者 P.F.ドラッカー
監訳者 野田一夫 村上恒夫 1974年3月 発行 ダイアモンド社
(P.F.Drucker "Management : Tasks, Responsibilities, Practices" 1974)〗
上記の観点から、マネジメントを理解するにあたっては、その工夫や努力の対象を理解する為にも経営組織論の知識が大切です。
社会的責任を伴った専門職能であるマネジメントについて、一般的にこの言葉が世の中で多用されているゆえに、その概念を具体的に明確に把握することは難しい状況となっています。しかしながら、最初に述べた事が本質的な目的ではないかと考えています。
ドラッガーによると以下のような定義になります。
■マネジメント「組織に(社会的)成果を上げさせる為の道具・機能・期間」
⇒一般システム論による把握=C.I.バーナード「経営者の役割」
M. P. フォレット (管理の予言者)
組織=個人のコンフリクトを「統合」するもの≠ 「抑圧」「妥協」ではない。
個人・組織・社会の相互作用を念頭に
・組織と社会の関係
組織は、存続や発展を図りながら、自社製品やサービスを通じて外部環境である社会と適合しながら、社会に貢献を行うもの
・個人と組織の関係
組織は、個人に働く機会と対価・地位を与えるのに対し、個人(社員)は組織を通じて社会に働きかけることにより、自己実現を図る。
■マネージャー「組織の成果に責任を持つもの」
マネジメントに求められる役割
1.組織の果たすべきミッションを達成する ≒ 診断型組織開発
2.組織で働く人を活かす ≒ 対話型組織開発
3.社会に貢献する = CSR ・ SDGs
上記は、相互に関連します。
組織の「目標・案件・プロセス」を管理し、組織の目標(マーケティングとイノベーション)を達成出来るということになります。
(参考:ドラッカー 人・思想・実践 ドラッカー学会 文眞堂 2014年)
■ドラッカーによるマネジメントの5つの仕事
「マネジメントの父」と呼ばれるドラッカーは、著書「マネジメント」(ドラッカー、1974)の中で、マネジメントの5つの仕事を挙げています。
①目標を設定する、
②組織する、
③チームを作る、
④評価する、
⑤自らを含めて人材を育成する、
です。
(マネジャーによる職場作り 理論と実践 中村和彦著 日本能率協会マネジメントセンター 2021年 P14~15)
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